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2012年4月23日 (月)

降格の研究とこれからの展望

「今年、自分はマリノスに何があっても驚かない。」(優雅で感傷的な「3年目」の樋口サッカー)と書いてから一カ月、事態はいっこうに変わっていない。むしろ悪化している。

樋口監督の「解任報道」もメディアの紙面に出るようになってしまった。社長は否定しているものの、数紙が一斉に報道しはじめたのを鑑みれば、火の無いところに煙たたず、すでにエマージェンシーのための動きを水面下で始めたというところで間違いないだろう。
この種の話は、悪しき内部からのリークというよりかは、相手方があることから漏れて当然の話になるかと思う。たぶん、何人かに断られているのだろう。内諾の話であれば情報はそこで留められる。

ちょっと印象的なマリノスの元監督のインタビューをメールマガジンの「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」にて、先日読むことが出来た。水沼貴史である。曰く、「サポーターが監督に何を求めているのかわからない」
なるほど、輝くべき2連覇を果たした岡田監督はわずか1年半の低迷の責任をサポーターから問われて「これが限界」と引導を渡された。木村和司監督は、結果を出さなければならないシーズンに、なりふり構わず泥にまみれるようなサッカーをしてあと一歩までたどり着きながら、最後に「内容がない」「戦術がない」と盛大なブーイングを浴びる。
本当にくだらない。

もしこのような実情を知っている人であれば、監督就任への礼をつくされても、それなりに躊躇するのは当たり前のことだ。

ちょっと余談になるが、藤井雅彦記者の意見を自分にかなりの信頼をおいている。辛口ながらもこの人の書くことは、荒れた局面であればあるほどブレないからだ。
中村俊輔選手のセルティックからの移籍がご破算になったとき、斎藤前社長の「失態」をファン・サポーターはこぞって責めた。内部からリークされてくる情報と嫌な噂も駆け巡った。
しかし自分は何度もこの手の話を見てきたため、本当に悪いのは社長なのか、社長の失言が移籍ご破算の原因なのかということを当時のハマトラ紙面に書いた。これは単に移籍条件を巡る駆け引きのひとつにすぎず、それをうまく利用して別の目的に使おうとしているのではないかと。
しかし、メディアを通じた情報を鵜呑みにしてしまう人からは、この意見は大いに批判を浴びた。唯一、藤井記者がエルゴラッソに書いていた意見が、サポーターや他のメディアの論調に対してほぼ自分と同じような懐疑を表していた。

自分はこのチームが本当に変わらなければならないのは、ファンとサポーターだと思っている。それは意見と意見の対立をうまく最善の方向に昇華させていく能力である。時として、マリノスのファン・サポーターはエキセントリックすぎることがある。また、誰かを悪者にすれば何かが解決するのではないかと単純な善悪二元論で判断しすぎる。


樋口監督指揮下のチーム低迷に対して、批判の声があがらないのは、昨年の木村監督のサッカーに対する表裏一体の関係にあるのは明らかだ。
「内容がない」サッカーから「内容のある」サッカーへの転換。しかし、自分は昨年のサッカーに内容がなく、今年のサッカーが内容がある(・・・だが結果におしくも結びつかない)というような単純なものではないと思っている。

クラブは樋口監督を全面的にサポートするとコメントを出している。これはこれで100点のコメントだと思う。だが、エーマージェンシープランもすでに策定しはじめているだろうことは明らかで、これも賢明な処置であると思う。

必要なのは現実と理想のバランスをとること。そのためには時として二枚舌でもかまわないと思う。動揺を見せてはならず、だがその裏では冷静に数歩先を読んで動いていなければならないのだ。

これを自分も少しやってみようと思う。わたしたちの横浜F・マリノスは、7節の磐田戦での「惜敗」(自分は「惜敗」などとは考えておらず、むしろ今年のこれまでの典型的な失敗の本質を見た試合と思っていますが。こちらは後述。)により、降格圏の17位に落ちた。

これをもって、先に書いたとおり、「今年、自分はマリノスに何があっても驚かない。」という事態に一歩進んでいる。こんな預言が成就するのはまさにご勘弁なわけである。ただ手をこまねいているのも癪だ。

そこで、「内容があるから今はガマン」という人が多数を占めている情況の中で、それではその熱湯の風呂にどこまではいっていなければならないか、以下にストップウォッチと温度計をピッチをおいて少し、そのガマンできる時間を計測をしてみたいと思う。





1.降格しないための必要勝利ポイントシュミレーション

シーズン開始当初、樋口監督は「成績は問わない、マリノスのサッカーのベースとなるものを構築してほしい」というような手形を切られていると自分は想像している。
実際、それがそのとおりだとしても、「降格しなければ」という注釈の条件はついているだろう。
今、このサッカーが未来のマリノスのサッカーをつくりあげるための勝敗にこだわらない忍耐の時期だとして、それではマリノスはどこまで勝たないでもいいのか。

◇データ1:過去の残留ラインから推測する必要な勝ち点

残留確定ラインの勝ち点
2005 清水 39
2006 甲府 42
2007 大宮 35
2008 千葉 38
2009 山形 39
2010 神戸 38
2011 浦和 36
平均 38.1

(以降の数値は、現在のJ1と同じく、18チーム1シーズン制(34節)になってから以降のもの。なお、2011年は震災のため変則の試合日程のため、データから除外していることがある。)

このまま勝敗にこだわらず、目指すサッカーを追及するのであれば、とりあえず最低限とっておかなければならない勝ち点は38ptぐらいか。
安全ラインを考えると40ptぐらいは欲しいところではあるが。

7節終了時点でのマリノスの勝ち点は4pt。

そうすると残りの27試合で、最低でも34ptは必要となるだろう。

◇データ2:残留ライン34ptをとるための戦績


必要な戦績 必要な勝率(1) 必要な勝率(2)
12勝15敗0分 44% 44%
11勝14敗1分 41% 42%
10勝13敗4分 37% 43%
9勝11敗7分 33% 45%
8勝9敗10分 30% 47%
7勝7敗13分 26% 50%

※(1)全体の試合の勝率(2)引き分けを除外した勝率

それでは残留ラインである38ptの勝ち点を、残りの試合でゲットするためにはどれくらいの成績で行けばいいのか。
残り試合27での残留降格分岐点の勝敗は以上のとおりとなる。

勝率が2種類あるのでわかりにくいかもしれないが、簡単にまとめると、引き分けが多くなった場合、引き分け以外の試合では勝率5割(2)ぐらいが必要なラインとなるということだ。引き分けが多くなると厳しくなるとシビアさが増す。

現実的には、勝率(1)4割~3割があればなんとか行けるというところ。
この場合必要勝利数は11勝から8勝。引きわけ以外は、やはり4割以上の勝率を残さねばならない
しかし、これは到底今の情況では望めそうにないのが実情なのではないか。
まだ1勝もしていないなか、どの数字も果てしなく遠いものに見えるのが正直なところではある。


2.降格するチームはどのあたりで決定するのか

もちろん降格が決定するのは勝敗が実際に積み重なってからのことなので、早くても秋口くらいになるわけなのだが、ここでは過去J2に降格したチームのデータを見てるみることにより、ざっくりとした展望をつかむ。

◇データ3:降格圏内のチームがそのまま最後に降格したケース

年度/節 7節(20%) 11節(30%) 17節(50%)
2005 2 3 2
2006 2 2 3
2007 1 1 1
2008 1 1 1
2009 3 3 2
2010 1 2 2
平均 56% 67% 61%

現在マリノスは7節(試合消化率20%)で降格圏内。
この7節の時点で降格圏内にいたチームの半分はそのまま降格

さらに11節(試合消化率30% ※ゴールデンウィーク明け)の時点で降格圏内にいたチームの2/3はそのまま降格している。

ようするに降格するチームはGWの前後でほとんど決まっているということです。
せいぜい降格圏内3チームのうちの1チームだけが、がんばってなんとか降格を免れているというのが実情になります。

これは「1.降格しないで、どこまで勝たないでよいか」で分析したとおり、ここまでの成績になってしまうと、よっぽどのハイペースでないと降格圏内は脱出できないという悲観的な材料を補完する統計となります。

 


3.本当に「内容」は良いのか?

自分は様々な人が「内容が良い」ということを前提にして楽観的な展望をしていることに疑問をもっています。

さらには本当にこれまでのサッカーが内容が良いのかということにも懐疑的です。

現在の樋口マリノスの問題点は得点力に凝縮されています。
ちょっとこれも過去のデータで見てみましょう。

現在横浜F.マリノスは7節で得点は4点。これだけ得点が低いと、どうにもならないわけですが、これも2005年以降のデータを拾い上げると面白くない数字が出てきます。


◇データ4:降格チームの得点と失点(7節までの平均値)

年度 得点 失点
2005 8.3 12.7
2006 8.7 16.0
2007 8.0 14.3
2008 7.3 12.3
2009 6.7 10.7
2010 6.7 9.3

現在7節の時点でのマリノスの得点は4点で、失点は8点。(得失点差4点) おわかりのとおり特に得点は致命的に少ない情況。

なお、2008年より以前では、守備が崩壊してなすすべもなく負け続けるというのが降格のパターンでしたが、近年では得点力不足で惜しい試合を逃すというのを続けて降格するというパターンに推移しているようにも数字からは見受けられます。(降格チームの失点が劇的に減っており、得失点差も少なくなっている。)あれ、これってどこかでみたような・・・。

◇データ4:7節終了時点でマリノスより得点が少なかったチーム

年度 チーム 得点 順位
2007 えふしー 3 18
2007 大宮 3 15
2009 清水 4 7
2010 新潟 3 9

(2005-2010まで)

さて、マリノスの得点がとれない現状がいかに危機かがわかってしまう嫌なデータが続きます。

ごらんのとおり、6年間(2011年は震災日程のため除外)のJチームで得点がとれないワースト4に入る結果となりました。

ただし悲観的ではない材料も多少ある。堅守速攻のサッカーをめざしていた長谷川健太体制の清水は勝てないながらも負けないサッカーで手堅く順位を押し上げていましたし、新潟は4年続いた鈴木監督の後任として黒崎監督がチームがこちらも現実的なサッカーでうまくまとめて順位を押し上げました。「内容」を標榜するチームとは違ったアプローチであるのが気にはなりますが。

得点が取れないサッカーに理由があればいいわけです。ですが、残念ながらそういうサッカーを志向しているわけではないのですよね。やはり危険な事態にあるのではないでしょうか。にもかかわらず、「内容の良い」サッカーで惜しくも結果に結びついてないという人が多数いるのが正直驚きなわけです。

データで語るというのは究極的な結果論で語るということですが、その結果論がなければ帰納的な発想は出てこないものです。もちろん一般化するのが早すぎるのであれば、単なる杞憂ということになりますが、どうにも自分にはこの事態を把握するための過去の事例の一般化のタイミングが遅いような気がしてなりません。


4.どのようにして降格から脱出したのか

7節の時点で降格圏内のチームの半分はそのまま降格するというデータを見ましたが、それではその逆のパターンを見てみましょう。

7節降格圏内にいながらも、降格しなかったチームはどのように対応したかです。

年度 チーム 7節 最終 短評 監督 ポイント
2005 浦和 16 2 ポンテ・マリッチの補強により一躍急進。浦和の黄金時代の積極補強が目立つ。天皇杯は優勝。 ブッフバルト(2) シーズン途中大幅補強。
2006 広島 17 10 昨季7位にベテラン(戸田・ウェズレイ)補強も開幕10試合未勝利。小野監督は3年目にして解任。ペトロビッチ指揮の翌年はJ2降格。 小野(3)→望月(暫定)→ペトロビッチ 監督交代
2007 大分 16 14 補強に失敗し低迷も、後半を3人の選手の補強でギリギリ乗り切る。 シャムスカ(3) 選手補強。
大宮 17 15 新任のファベークが結果を出せず、監督変わるも降格争いを通年続ける。 ファーベーク(初)→佐久間悟 監督交代。
2008 新潟 16 13 故障者続出で低迷。得点力不足に通年悩まされ、最後まで降格争い。 鈴木惇(3)
千葉 18 15 前年のアマル退任と主力放出の流れのままクゼ監督就任も開幕から連敗。ミラー監督にすぐに交代するも結果を出せず。翌年降格。 クゼ(初)→ミラー(初) 監督交代。
2010 大宮 16 12 開幕当初から故障者もあり低迷続き、10節で監督辞任。監督交代もあり低迷しながら降格を免れる。 張(2)→鈴木淳 監督交代。
新潟 18 9 4年の鈴木監督政権から交代した黒崎監督。選手の大幅な入れ替えもあり開幕10試合連続未勝利があるも、その後立て直すことに成功。 黒崎(初)

特筆すべき例外は、2005年の浦和レッズです。
CSで対戦した翌年でギド-エンゲルス体制の2年目です。ポンテやマリッチをシーズン途中で連れてきたのは相当の補強だったと思います。
選手の大幅補強や監督交代なしで、降格を免れたのは2008年と2010年の新潟のみ。このへん新潟はしぶといですね。90年代~オシム加入前のジェフ市原のしぶとさを彷彿させます。
これを例外として他は全て選手補強と監督交代でなんとか降格を脱出したということになります

まとめます。自分はJ2に落ちようと落ちまいと横浜F・マリノスをサポートするのは変わりませんし、川崎や柏がJ2に落ちることで決定的にチームとして変わってきた(ファン・サポーター・フロントも含めて)のを見てきているので、そういうことも試練としてあってもいいのではないかとも思っています。
ですが、それはあくまでも薄っぺらい理屈の中の話であり、それはそれであってはいけないこととも同時に思っています。

ゴール裏もネットの世論も、ずっと落ち着いていて、このまま辛抱することが肝心だというような意見が大勢をしめていますが、自分はその理屈は支持しながらも、これまで見てきたとおり、もうそういう段階ではないとも考えています。

大勢はGW明けに決着するでしょう。もし立て直すとしたら、6月の中断期間を転換期としてスケジューリングし、それまでになんらかの対応をとることが必要です。1か月あれば、大きな変動にも対応できるというわけではありませんが、たぶん残された最後のチャンスになるからです。

もちろんそれをフロントはキチンと想定していると思いますが、願わくば最悪の展開になったときのファン・サポーターの覚悟があらんことを。

樋口さんにはがんばってもらいたいと思っています。しかし、もうこれまでの樋口さんのやり方や空疎な「内容」というスローガンに固執する段階は終わっていることを、皆が理解していかなければ、本当に手遅れになると思います。





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