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2012年3月25日 (日)

優雅で感傷的な「3年目」の樋口サッカー

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今月号のサッカー批評の記事「木村和司はなぜブレたのか」は、マリサポ必読と推薦させてもらいたい。

ほとんど自分がこれまで書いてきた、溜息のような和司さんに対する思いは西部さんと共有できていると思う。

そもそも思っていたのだ。
和司さんは、自分のやりたいサッカーをやれなかったと悔しがっているに違いない。昨年のサッカーは、ACL圏内に入らねばならないということから、不本意ながらやってきたサッカーで、しかも実質の戦術は樋口さんがやってきたに違いないから、なおさらのことだろう。トカゲのシッポ切りのようにされた恨み真髄だろうから、さぞやフロントの悪口を言っていただろう、と。

それは実際にそのとおりらしいのは、サッカー批評を読んでもらえばわかるとおり。

さて、ここからはそこから先の話だ。

その和司さんの後を引き継いだ樋口監督が結果を出せていない。

これを評して、監督初年度だから仕方ない、というような意見をちらほら目にするようになったのだが、これは大きな間違いだ。

練習を見学しているものならわかるとおり、昨年・一昨年と戦術指揮を実際にふるっていたのは樋口さんである。
おそらくそうなんだろうと推測してきたのだが、西部記事にてさらに確証が得られたわけだ。

実質指揮をとっていたうんぬんは、これ以外の複数の証言から得られていることでもある。

それなのにコーチもろともではなく、和司さんが切られて樋口さんが残ったのは、ようするに和司さんがい なければもっと上に行けるという判断がフロントにあったということ。
その事情はブラックボックスだけれども、選手がついてきてなかったんだろうと推測する。ああ、またかという思いで一杯である。たぶん、これは和司さんだけの話ではない。監督の退任後のコメントで「足を引っ張るヤツがいる」という話を何回聞いてきただろう。

問題は、和司さんに人気がなかったこと。選手にもフロントにもファン・サポーターにも。

「功労者に対しての仕打ちが酷過ぎる」とファン・サポーターは選手の出し入れを非難したが、監督に関しては「功労者」の免罪は通用しないらしい。和司さんを追い落としたのは、こういう気まぐれなサポーターの意志でもある。
松田の永久欠番、和司さんの解任、ドゥトラの移籍、これ全てファン・サポーターがネットに書き散らかしてきたこと。今のフロントは全くもって「ファン・サ ポーター視点」だ。松田や人気のある選手を大量解雇した騒動で観客動員を減らした反省はポピュリズムとして活かされている。なんとも皮肉なことだ。

昨年の実質の指揮は樋口さんが取ってきたものとすれば、どうしても結果を出さなければならないという昨年の情況の中で、それなりの結果を出したのもこの人のおかげではある。
樋口監督については、参謀タイプの人なのだろうと思う。和司さんもそこを信頼した。そして結果はそこそこ出した。このペアでよかったのだ、と個人的には思う。

昨年の成績が樋口さんに帰せられるとしても、「戦術がない」「ちゃんとした決まりごとがない」そんなつぶやきが選手から漏れてくる。ファン・サポーターはもっとヒステリックに騒ぐ。

そしてそれを監督の責任とするのは大いに結構だ。
だが、それは樋口 さんのコントロールで行われてきたものなんですよね。自分はなぜファン・サポーターが樋口さんに期待するのか全く理解できなかった。ぶっちゃけ、そんなもんどんな結果になるかすぐにわかるもんだろ?

しかしブラックボックスの中になにがあるかはわからない。これまで他チームの監督としてのチームを率いてきた結果や、この数年の「戦術がない」「決まりごとがない」サッカーの実質指揮をとっていたことを鑑みて も、不安のほうが大きかったが、それでも和司さんがいなくなるという効果が選手のモチベーションにいい方向に働く可能性も捨てきれない。よって追認せざるを得ないのである。

繰り返し書くが、樋口サッカーは別に初年度などではない。三年目なのだ。
モチベーションコントロールが、和司さんがいなくなることにより、ブラスに出るかマイナスに出るか。極めて水モノのチームマインドの醸成に期待するしかない。

中澤も俊輔も、選手として非常に扱いづらいマイペースなタイプである。「献身」という言葉とはそぐわないスタイルで結果を残してきた。かたや、煌めく才能が開花しきれない若手たち。このチームは本当に難しい。それを樋口さんがどのようにマネジメントしていくのか、自分は途方に暮れながら見ていくしかない。

開幕直前、練習試合で結果が出せていないのに、「チームの雰囲気はいい」というようなコメントが流れてくる。なんだかな、と思う。
指揮官の交代後にはそん な解放感はあるだろう。人事異動で上司が交代した社内の雰囲気が少しピリっとくるのと似たようなものだ。しかし自分の経験ではそれは長く続かない。

代表で、加茂さんから交代した後の岡田さんでもマネージメントの求心力を得るのに四苦八苦していた形跡がある。
今でこそ、会話教室や説得術を生真面目に習って、喋りかたまで変えた人であるが、当時ファン・サポーターの大半も支持してなかった。

樋口さんにアドバンテージになっているところはここ。不思議にも論理的な考えれば期待などあまり出来るはずもない樋口さんの支持率は高い。これは強みである。もちろん、自分はマリサポの気まぐれさと無責任な論理には、がっかりさせられることも多いのだが。願わくばこれは続いてほしい。

この情況だと、「帆を広げすぎた」という認識にならざるを得ないと思うのだけれど、だからといって去年のリアクションサッカーに戻らざるを得な いのか。それでもいいとは思うのだが、和司さんという強烈な個性が忍んで行ったシチュエーションとは違う今、それが結果をそのまま残すかどうか

ドラスティックに、樋口さんが本当にやりたいサッカーを出来る選手に切り替えていく、または去年結果を残したリアクションサッカーに戻すしかない。
自分のチームマネジメントの実現する求心力を最大限発揮できるメンバーにしていくしかない。もちろんこれはトップが変わった時によくある話である。けれど、もうそれしかないと思う。

マリノスの低迷を考えるにつけ、フロントや選手と摩擦をおこす指揮官こそが必要なのではないかとずっと思っていた。和司さんならば、中澤とも俊輔もコント ロールできる。甘えた若手に現実を知らしめることもできる、とも。和司さんはこれが、いろいろな意味で裏目に出たとしても。樋口さんなら、現在、ファン・サポーターの世論を味方に、これが出来る。

樋口さんに期待するのはそこだ。もうたぶん時間はそんなにないと思う。

逆にいえば、早々にそうしてもらい、「3年目」に入った樋口サッカーの結論を出さねばならない。2001年シーズンは開幕の時点から本当にこれはマズイと考えていた。この悪い予感が、今回はかなり甦ってきている。今年、自分はマリノスに何があっても驚かない。


ドゥトラとかマルキとか俊輔とか、優雅で感傷的な横浜F・マリノスを楽しむための役者はそろっている。
しかし感動のハーモニーはいっこうに聴こえてこない。あるのは妙な楽観とファン・サポーターの論理的無責任。松田のトラウマから、そんな無茶を忠実に実現していくフロント。

功労者に対する酷い扱いとか松田が出されたことを糾弾していた人が、和司辞めろとやっていた。自己矛盾を感じないらしい。その混乱が、松田の永久欠番や和司解任やドゥトラ移籍などになって驚くべき容貌で立ち現われてくる。このチームで一番変わらなければならないのフロントでも選手でも監督でもない、ファン・サポーターだと思う。

さよう、それでも自分はマリノスを愛する。ここには留保がついている。例えJ2に落ちたとしてもマリノスについていくということだ。逆にそれくらいのことがあったほうが、何かが劇的に変わる機会となるのではないかと思っているぐらいだ。だからいろいろなものを許容できる。もし、それが嫌ならもっと何かを皆は考えねばならないのではないか。




以下、蛇足。
そういえば、今年の監督交代と似たようなパターンが過去あったのを思い出す。

2008年だったか、オジェックを解任した後に就任したゲルト・エンゲルスの浦和レッズ。
ギド時代に、たぶんエンゲルスは実質監督のようなことをやっていたはずである。ギド時代に栄華を極めたものの、オジェックで下降期に入り、監督後任としてコーチからそのまま持ち上がる。そのあと、選手の反乱のようなことが起き、身内から采配を批判されるなどして解任。自分の知っている浦和サポは皆エンゲルスに懐疑的であった。日本語が堪能でドイツ語も当然できるエンゲルスは、使い勝手はよかったと思うが、結局は指揮官してはダメだったということか。
そうならないことを祈ってやまない。




殺伐とした話題の後にマリサポにお知らせ。

マリサポの勝っても負けても呑む!のポリシーをバックアップする牙城、新横浜のたあぷる館に、元やるき茶屋の店長が帰ってまいりました!

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しかも復帰先が、あの庄やとは(笑)
もう行かねーよ!と宣言してから、4-5年ぶりに庄やに行ってきましたよ。
ほとんど酔っぱらって寝てましたけど。

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この人の送別会は庄やにて。
(撮影:あやなのためボケてます)






そんなわけで、今後は庄やがいいと思います!

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まず、私は「鳥栖ごときに」という偏見は持っていない。 J1に上がれるってことは、J1でそれなりに戦えるから上がったものと思っているから、特別な思い入れはない。 勝つと嬉しいけど、負けると悔しいのはみんな同じ。 でも、(2、3心配に思うことはあるにせよ)そこまで... [続きを読む]

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